泌尿器科医と放射線治療医によるチーム医療

前立腺の病気としてよく挙げられるのが前立腺肥大症と前立腺がんだ。前立腺がんはアメリカでは男性がかかるがんの第1位であり、死亡率も肺がんに次いで第2位となっている。日本では元々、患者数が少ないがんの一つだったが、近年は急激に患者数が増加している。
日本で前立腺がんの患者数が増加している原因として挙げられるのは食生活の欧米化だ。高タンパク、高脂肪の食事が増え、それが前立腺がんや前立腺肥大症増加の大きな原因になっている。また、前立腺は男性ホルモンに支配されているため、高齢化に伴う男性ホルモンの減少が前立腺の病気発症に影響していると考えられている。
「前立腺がんは進行がゆっくりなのが特徴で、発生から40年以上をかけて成長するとも言われる。そのため60歳以上が90%以上を占めている高齢者に多いがんなのです」と坂丈敏院長は教えてくれた。
比較的進行が遅くおとなしいがんとされているが、そのため初期にほとんど自覚症状がなく発見しづらい。がんが進行して骨盤に転移し、腰や下肢に痛みを感じてがんが発見されるというケースも多い。
ノバリスによる治療実績は1000例超
前立腺がんの治療には、手術療法や放射線療法の局所療法と、内分泌療法や化学療法の全身療法がある。それぞれメリットデメリットはあるが、坂泌尿器科では泌尿器科専門医と放射線治療専門医による放射線治療を積極的に取り入れている。
「前立腺がんの治療については、病気の状態と患者の求める治療を考慮し、提供しています。放射線治療は、以前は合併症などの懸念もありましたが、それらを解消するためにドイツで開発されたのが定位放射線治療装置ノバリスです。厚生労働省から先進医療として承認された、強度変調放射線治療(IMRT)を実施することも可能です」と坂院長。

前立腺がん以外でも手術実績を持つ
坂泌尿器科は、坂院長をはじめ泌尿器科専門医による治療が大きな特徴だ。前立腺肥大症に対するHoLEP(ホーレップ)術など、年間手術数は2011年 で 1079件と、ここ数年は1000件超の実績を築いている。2010年のDPC対象病院における手術件数では、尿路結石に対する経尿道的尿路結石除去術では全国3位、前立腺肥大症に対する経尿道的レーザー前立腺切除術等では全国2位を誇っている。