外科・整形外科 骨粗鬆症

Dr. Takayuki Dohke

道家 孝幸(どうけ たかゆき)医師

勤務病院Do-Clinic 整形・運動器リハビリテーション 院長

精度の高い検査を用い、自覚症状のない骨粗鬆症を早期発見

骨密度以外に、体組成計や採血などを測定して評価

 症状が進むと、知らないうちに骨折してしまう「いつの間にか骨折」を引き起こす骨粗鬆症。命には関係ないという認識の人も多いが、背骨や股関節の骨を骨折すると、寝たきりになったり寿命が短くなるという。自覚症状がないため、正確な検査が必要だ。骨密度検査だけではく、体組成計を用いたり、骨代謝マーカーを測定することで、骨折リスクを評価して早期発見・的確な治療を目指しているのがDo-Clinic院長の道家孝幸医師だ。

(撮影日 2022年6月15日)

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専門性の高い知識と精度の高い検査、さまざまな治療法を提供

骨粗鬆症の定義

 骨粗鬆症とは、骨の強度が低下して骨折しやすくなる状態だ。通常、加齢によって腸管でのカルシウム吸収力の低下や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの生成能力が低下してしまうもの。さらに運動機会が減るなどで、骨の新陳代謝が低下してしまう。
 また、骨粗鬆症は高齢の女性に多いとされているが、それは女性ホルモンが関係しているから。女性ホルモンの分泌量が減ることで、骨の代謝バランスが崩れ骨密度の低下が起き、骨粗鬆症になりやすいのだ。
 高齢者の場合、骨折をすると日常生活に制約がかかることがあり、そのため骨粗鬆症によって寿命が短くなることも指摘されている。特に、背骨や股関節などが骨折すると治療しても寝たきりになる場合もあり、寿命が短くなってしまうこともある。

重要なのは定期的に検査をして早期に治療を開始すること

 骨密度が低下することで、骨の内部がスカスカになってしまう骨粗鬆症だが、自覚症状がなく、骨折をして気づくケースがほとんど。そのため、骨密度検査などを定期的に行うことが望ましいとされている。
 健康診断や人間ドックで骨密度計による測定が行われるようになってきたが、「正確に測れていないケースがある」と警鐘を鳴らすのが道家孝幸医師だ。それは、健康診断ではかかとや手首で簡易的に計測するので、正しい骨密度ではない可能性があるからだ。そのため道家医師は「骨密度を測る場合は、背骨や股関節で測ってほしい」と訴えている。
 またDo-Clinicでは、より早く骨粗鬆症を発見するために、骨密度検査のほか、採血で骨の代謝の状態を調べるシステムを導入。さらに、体組成計を用いて筋肉量も同時に調べ、より精度の高い評価をしている。
股関節の骨折

治療薬が多彩に用意されているため専門医による加療が不可欠

 骨粗鬆症という確定診断が出た場合は、食事と運動と薬の3本柱で治療を進めていくことになる。その中で薬剤による治療は、現在は骨が壊されるのを抑えるタイプと、新しく骨を作るタイプの2種類の薬が用意されている。また使用方法も多彩で、毎日飲むタイプや1年に1回点滴をするタイプ、自分で注射を打つタイプなどさまざまなタイプがある。患者の意向や患者の状態に合わせて使用することになるが、治療薬の選択肢が多いため専門医の診察を受けることが不可欠だ。
 また、普段の生活からの心がけも重要だが、骨粗鬆症は自覚症状が乏しいため、治療に対する意欲が薄れることがある。そのため同院では、骨粗鬆症マネージャーの資格を持つ看護師が丁寧に説明。医師と看護師のほか、栄養相談に応じる管理栄養士、リハビリ指導を行う理学療法士、検査を担う診療放射線技師などの多職種で全面的に患者のサポートをしているのが特徴だ。

50歳以上の女性の半分以上が骨粗鬆症と診断されることも

骨折の連鎖1
 骨粗鬆症患者を苦しめるのが「いつの間にか骨折」と「骨折の連鎖」だ。骨が脆くなっているために、知らないうちに骨折を起こす。その骨折による変形で他の部位に圧がかかり、さらに骨折が連鎖していくのだ。
現在は治療法が確立されてきており、適切な診断・評価、治療によって状態の維持および改善を目指すことができる。しかし自覚症状が乏しいため、自らの身体の状態に常に気を配ることが重要だ。
 ガイドラインでは背骨の圧迫骨折や股関節の骨折はそれだけで骨粗鬆症に当てはまる。また道家医師によると、身長が2センチ以上縮んだ、内科疾患などでステロイド薬を使用している、両親が股関節の骨折をしている、といった人は、骨粗鬆症になっている可能性が高いそうだ。
道家医師は「当院で検査された50歳以上の女性の半数以上が骨粗鬆症と診断されています。適切な治療を見つけるために、50歳以上の方は早めに専門医の診断を受けるようにしてください」と話す。

(更新日 2022年6月20日 )

ドクターの略歴、活動内容

道家 孝幸(どうけ たかゆき) /1979年生

プロフィール
2006年
札幌医科大学医学部卒業
2016年
札幌医科大学医学部大学院卒業


2006年
札幌医科大学附属病院臨床研修医(勤務:旭川赤十字病院、札幌医科大学附属病院)
2008年
札幌医科大学附属病院整形外科診療医
2009年
市立千歳市民病院整形外科医師
2010年
市立室蘭総合病院整形外科医長
2011年
北海道立子ども総合医療・療育センター整形外科医長
2012年
札幌医科大学附属病院整形外科診療医
2017年
同助教
2018年
市立千歳市民病院整形外科主任医長
2019年6月
Do-Clinic 開院
資格
  • 日本整形外科学会専門医

Do-Clinic 整形・運動器リハビリテーション

〒060-0061
札幌市中央区南1条西14丁目291-81
ウィステリア南1条ビル3F

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